犬の椎間板ヘルニアの症状について

椎間板ヘルニアの初期症状

犬の椎間板ヘルニアは症状によって、グレード1~5に分類をされます。

グレード1の段階では、まず痛みがでます。
患部を触ると、痛がって「キャン」と鳴いたりします。

他にも以下のような症状があったら、椎間板ヘルニアの可能性があります。

□ 震える 

□ 運動を嫌がる

□ 食欲がない 

□ 呼吸が荒い 

□ イライラするようになった

□ とぼとぼ歩く 

□ 歩き方がおかしい

□ 階段の上り下りをしない 

□ 排尿・排便をしない 


グレード1の段階では、まだ麻痺などの症状はありません。
しかし、症状が急速に進む場合もあります。

椎間板ヘルニアは早い段階であるほど、完治しやすい病気です。
また、早い段階であるほど、手術以外にも鍼灸による治療などで、ワンちゃんの体に負担のかからない治療法も可能です。

上記のような症状が見られたら、すぐに獣医さんに診てもらいましょう。

椎間板ヘルニアの症状が進行すると?

椎間板ヘルニアの症状が進行すると、グレードが以下のように上がっていきます。

■グレード1 ・・・ 痛み

犬の椎間板ヘルニアの中では一番症状の軽い状態です。麻痺などはないですが、神経が圧迫されて痛みを感じる状態です。
 

■グレード2 ・・・ ふらつき

歩行はできますが、ふらつきながら歩く状態です。
麻痺が起こる前段階です。
 

■グレード3 ・・・ 麻痺(浅部痛覚あり)

グレード3以上は麻痺を伴う症状になります。
グレード3では足先を軽くつねった際に痛みを主張することができる状態で、痛覚はあります。自分の意志で排尿を行うことも可能です。
 

■グレード4 ・・・ 麻痺(浅部痛覚の消失)

浅部痛覚が無い状態は進行してしまうと回復率が極端に低下するグレード5になってしまいます。

痛覚の有り無しを判断する際に、足の先をつねったりするのですが、引き込み反射という無意識に引き込む反応を起こすことがあります。 それを痛覚ありと判断してしまうことがないよう獣医師にしっかりと確認してもらいましょう。
 

■グレード5 ・・・ 麻痺(深部痛覚の消失)

足先の骨をペンチのようなものでつまんでも表情の変化すら認められません。このような状態になる前に適切な診断・治療を行うことが望まれます。グレード5になってしまった場合は、早急な手術が必要になります。

獣医師が椎間板ヘルニアを判断する方法

まずは触診などで痛みの場所や神経の異常を診察します。
症状と犬種や年齢などを加味しながら診断の見立てを行います。

その後、必要に応じてレントゲン検査を行うことがありますが、レントゲンで椎間板ヘルニアを確定診断することはできません。レントゲン検査は骨の位置関係や他の病気を確認するために行います。 

触診で異常が診られた場合、椎間板ヘルニアの診断と場所を特定するためにCTやMRIなどの高度画像診断や脊髄造影検査を行います。

しかしCTやMRIなどの高度画像診断や、脊髄造影検査は、

・高い費用
・全身麻酔が必要
・犬の体への負担が大きい
・設備が整っている病院が限られている


ことから、飼い主様と十分相談をしてから次の検査へ進んでいきます。

椎間板ヘルニアの痛みを和らげる方法

犬の痛覚は人間の1/5程度と言われています。
そんなワンちゃんが痛みを感じているというのは、とても痛々しく感じてしまいます。

椎間板ヘルニアの治療には、手術や内科的治療、鍼灸治療などがありますが、
わんちゃんの体に負担なく、痛みを和らげる方法をご紹介します。


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